自己破産は2回目以降も何度も行えるのか
自己破産という手続きは、法文上、前回の免責決定から7年以上経過していない場合、続けての免責は認められないことになっています。しかし、必ず免責が出ないというわけではありません。
自己破産には、裁判官の判断によって免責を許可する「裁量免責」という制度がありますので、事情次第では免責決定が出る可能性はあるといえます。
とはいえ、よほどの事情がない限りはまず認められない可能性の方が強いので、2回目の自己破産にはならないように心がけることが、まずは第一といえます。
1回目の事情も考慮されることになる
しかし、実際問題として、2回目の自己破産を申し立てざるを得ない場合もあります。その際は、1回目の自己破産申立時の事情も考慮されることになります。
1回目の申立時、特に免責不許可事由(ギャンブルといった浪費など)がなかった前提で、2回目においても免責不許可事由がないのであれば、免責が認められる見込みは十分にあるといえます。
ただし、どちらかの破産申立の事情に免責不許可事由が関わっているような場合は、免責決定までの道はかなり厳しいと言わざるを得ません。
2回目の自己破産は、裁判所への心証を良くするため、より精度の高い申立が必要となってしまうことから、可能な限り専門家の力を借りるようにしましょう。
免責決定が出なかった場合
免責決定が出なかった場合は、なんとかして支払いを継続するか、期間の経過による時効援用をするしかありません。通常、貸金業者からの借入というものは時効期間が5年間となっています。つまり5年間支払いから逃れることができれば、その債務は法的効力を失うことになります。
しかし、貸金業者に裁判を起こされて債務名義を取られてしまった場合や、破産申立において免責決定が出なかったような場合、債務は確定し、時効期間は10年間となってしまいます。
つまり、2回目の自己破産にて免責決定が出なかった場合、その後10年間は債権者から請求をされても文句はいえないということになります。
債権者には支払い能力がないことは伝わる
とはいえ、自己破産の申立をし、破産開始決定が出ているのであれば、その事実は債権者に対して通知されることになります。
自己破産において、破産開始決定が出ているということは、破産者には支払い能力がないという認定のようなものなので、仮に免責決定が出なかったとしても、すでに債権者には支払い能力がないことは伝わっているといえます。
支払いのできない相手に対して、裁判などを起こしても回収できないのは目に見えていますので、即座に請求されるようなことはほとんどありません。